大人になって本が読めなくなったあなたへ

さいきん本を読めていないな。
読みたいけれど忙しくてそんな時間がないな、という方へ。

本が好きだったはずなのにあまり読めていない。
子どものころは時間を忘れて本の世界を旅したことだってあるのに、
なぜかいまはできなくなった。
このように大人になってから読めなくなった、読まなくなったひと意外と多いのではないでしょうか。

読書から離れてしまった理由はたくさんあるかとおもいます。
今回はそのなかでも恐らく多くの人を悩ませているであろう2つの問題にかんして考えてみたいとおもいます。

1.読書への義務感

SNSをみていて、500冊読みました、とか、1週間で10冊読みました、みたいな投稿を目にしたことはありませんか?
人生が変わる!絶対に読むべき本!とか、この本を読まないと損する!みたいな謳い文句を目にしたひともきっと多いかと思います。
こういうアスリートみたいな読書家のかたを否定する気持ちは一切ないです。(読んだ本を高く積み上げる、余すことなく本の栄養を吸収しようとする姿勢がアスリートみたいではないですか・・?)
むしろわたしにはできないことなので純粋に尊敬しています。

が、こういった投稿をみて苦しくなることないでしょうか?
500冊読めるひとがいるのに、わたしは1冊も読めていない・・
この本、読む気にはなれないけれど人生損してしまうのかな・・
ちょっぴり不安になるし、ますます本から遠ざかってしまいそうにもなる。

そんなわたしたちはすこし深呼吸をしましょう。
本は、読んだ数や速さを競い合うものではないです。
また、みんなと同じ本を読む必要もない。
ただただ、あなたが気のむいたときに気になる本を読んだらいい。
ただそれだけのことです。
本はたのしいから読むのです。
本を読んでたのしかった時のことをどうか思い出して。

また、忘れがちな本の自由さを思い出してみましょう。
本の世界はいつもこちらにあわせてくれます。
本は開けばいつでもどこでもわたしたちを受け入れてくれます。
まとまった時間がなくてもちょっとした時間でも受け入れてくれます。

読む速さだって、ゆっくりでもいい。
いい表現があればじっくり味わえばいいし、躓いてもゆっくり読み直したらいい。
映画はこちらのペースをかまわず過ぎ去ってしまうけれど読書はこちらのペースに合わせてくれます。
もっともっと遊ぶような気持ちで本を開いてみましょう。
1冊読むのにどれだけ時間がかかったっていい。
むしろ1冊の本をたのしみ尽くせて最高だな、という気持ちでいましょう。

前述のアスリートのような読書家さんとちがって
わたしたちは散歩する読書家。
ふらっと出かけて素敵な景色をたのしみましょう。
道端に咲いたきれいな花を眺めるようにすてきな言葉を見つけ、
心地いい時間をたのしみましょう。

2.忙しさ

仕事や家事や育児など、毎日みなさんたいへん忙しいかとおもいます。
忙しない毎日の中で本をひらく余裕も時間もない。
でもスマホを見てだらだらとする時間、ゲームで溶かしている時間、
なにもしないでぼーっとしている時間がきっとありますよね?
そういった時間を削れば30分くらいは捻出できますよね?
その時間を読書に充てましょう!

・・・なんてことは言いません。
その時間もきっと疲れた脳や心を癒す大切な時間だとおもいます。
あなたを整えていく大切な時間です。

そしたらどうやって?
これ以上睡眠時間を削るわけにはいかないし・・

まずは本を生活にちょっぴり滑り込ませることからはじめましょう。
読書、というと腰を落ち着けてゆっくり、じっくりのような印象があるとおもいます。
この考えをあらためましょう。
読書にまとまった時間は必要ではありません。
さきほども書いたとおり、読書は自由です。
気のむいたときにいつでも手に取ってみて疲れたら閉じる。
たのしかったらもう少し本の世界にいたらいい、それだけです。

ここで大切なのは、読む時間を決めたり、生活の中に無理に組み込もうとしないこと。
習慣化することよりも、まず本のたのしみかた、本の世界の歩き方を思い出しましょう。

そのためにまずは気軽に1冊の本を手に入れてみましょう。
本屋さん、古本屋さんに行き気になった本を買ってみましょう。
ぶらぶらと手に取りタイトルや帯なんかから惹かれた本を手に取ってみます。

いや、でもありすぎて選ぶのが難しかったよ。。
という方に向けて。
world apart booksでは直感的に本の世界に入ることのできる機能を用意しています。いいなとおもった本があったらぜひ手に入れてみてください。

本が用意できたら枕元、あるいはいつもくつろぐソファの横のテーブルなんかにおいておきます。
鞄のなかにしのばせてみるのもいいし、
電子書籍だったらアプリをダウンロードして、よく使うアプリの横に配置してみるといいとおもいます。

本の世界があなたの生活に静かながらたたずみはじめました。
無理に読もうとしなくていい、ただそこにあるだけでいいのです。
本は買ってすぐ読まなくていいのです。

本は読め、と威圧なんてしてきません。
読まないからといってわたしたちを責めたてたりなどしません。
感じるとしたらすべてこちらの気のせいです。
ですので、気が向くまで置いておいてOKです。
あなたは別の世界に旅立つためのドア、チケットをすでに手に入れているのです。
それがなにより大切なのです。

ふと、違うことをしたくなった瞬間や、日々の生活に退屈してきた瞬間・・
そんな瞬間にふとひらいてみる日がくるかもしれない。
もしかしたらしばらく来ないかもしれない・・
それでも、読まない時間も読書のうち。
未知なる世界があなたとともに息をひそめているこの時間もすばらしいのです。

おわりに

長々と読んでくれてありがとうございます。
本の世界から離れてしまったひとが、また本の世界を訪れるきっかけになれたらうれしくおもいます。
もし気が乗ったらいっしょに本屋さんにでかけましょうね。